夏が近づくとウキウキしますよね!
海に川にと遊びに行きたくてウズウズ…
でもこの季節になると気になるのが虫の出現。
てことでみなさん、苦手な虫って何ですか?
僕はダントツでブヨが苦手です。
(正式名称はブユで、地域によってはブトとも言いますが、このブログではブヨに統一します)
もしキャンプ場でブヨに遭遇したら、即テントに引きこもります。
なぜなら一度死ぬ思いをさせられたからです。
自然の綺麗なところに出没すると言われる、あの凶悪生物に襲われたらどうなるかということ、その経過について実際に経験した恐ろしい体験談を交えながら語りたいと思います。
*この記事では一部不快に感じさせる恐れのある画像(虫や虫刺され跡など)を含みます。
凶悪生物ブヨとは
英語で言うとブラックフライ。
見た目は『小さいハエ』のような生き物ですが、大きさは2〜5㎜ほどでずんぐりとしたシルエットが特徴のブヨ。
か弱そうな見た目に騙されてはいけません!
本質は悪魔のようなやつで、バリくそに戦闘力が高いのがこのブヨという生き物。
まずその攻撃方法ですが、噛みます。
刺すんじゃなくて噛むんです。
皮膚を噛み切った上でそこから吸血するので、蚊とは違い『チクッ』とした痛みを感じます。
小さいですが切り傷が出来るので、治りが遅いのもブヨの特徴です。
そして悲しいことに、こいつは綺麗な川のそばに生息しています。
そう。
清流のある山奥などロケーションの良いキャンプ場に行くと、ほぼ間違いなくどこかに身を潜めているはずなので、キャンパーにとって脅威の存在なのです。
ちなみにこのブヨ。
いまYouTubeでも大人気の生物ハンター平坂寛氏の著書『刺された!噛まれた!危険・有毒虫図鑑』の『山林にひそむ最凶虫ランキング』でも見事ランクインしています。
ブヨに噛まれたらどうなる?
ブヨに噛まれると猛烈な痒みに襲われます。
その痒さたるや、蚊とは比べものになりません。
体質にもよりますが、噛まれた部位がパンパンに腫れ上がることもあります。
顔を噛まれると目が開かないほど腫れ、足を噛まれると痛くて歩けなくなります。
噛まれた直後は大した症状が出ないというのもブヨ被害の特徴で、数時間後ぷっくりと膨らみができ、時間が経つほどに痒みが増していきます。
さらに重症化してしまうと『結節性痒疹(けっせつせいようしん)』という固いシコリができ、場合によっては猛烈な痒みが数ヶ月続きます。
ぼくとブヨとの出会い
初めてブヨに咬まれたのは大分県の温泉に一人で浸かっている最中の出来事でした。
露天風呂のヘリで湯涼みしていると二の腕のあたりに「チクッ」とした痛みが。
見ると直径3ミリほどのハエのような虫が止まっています。
手で虫を払いのけ跡を見てみると、わずかにぷっくりと血が滲んでいました。
お湯から上がってしばらくするとだんだんと熱を帯びて痒みが…
温泉の受付にそのことを伝え、塗り薬のキンカンを貸してもらいました。
初めてのブヨ体験は噛み跡が治らないということもなく、すぐに痒みも引いていきました。
今思うとすぐに患部をつねって、お湯に浸かっていたことが良かったのかもしれません。(ブヨの毒は熱に弱い)
しかしこれは、恐ろしいブヨ被害の、ほんの序章に過ぎなかったのです…
ブヨ発祥の地にて総攻撃を受ける
そしてついに、ブヨの真の恐ろしさを思い知らされる事件が起こりました。
舞台は、九州本土から遠く離れた秘境の島。
島に上陸して30分後、民宿の玄関付近で大量のブヨに囲まれ、あっという間に噛まれてしまいました。
結局、滞在中に合計50箇所ほど被害に…。
この島には奇岩の名所があり、近くの看板にはこんなことが書かれています。
・16世紀中頃、近海を荒らし回っていた海賊がいた。
・村人総出で海賊を退治した。
・海賊は巨大な岩と灰になって飛び散った。
・その後、灰は人々の血を吸うブト(ブヨ)になった。
村人総出で海賊を袋叩きにして●してしまったがためにブヨに変身する…って…
手加減せんかい!村人たち!!
ブヨ発祥の土地になっとるやないか!!
後から調べてわかったのですが、この島には超強力なブト(ブヨ)が生息していることでもっぱら有名なんだとか。
さらに『ガジャブ』と呼ばれるブヨの亜種が生息しているらしく、ブヨよりも更に小さいけれどコイツはさらに悪魔的痒さを残すらしい。
ということもあり、この島民の皆様はブヨへの抵抗力も半端じゃない。
ぼくがブヨにやられて参っていると「焼酎をぶっかけるといい」だとか「熱いお湯に浸かっていればいい」だとか、いろんな情報を提供してくれます。
(ただの民間療法かと思えば、なかなかに的を得てるらしい)
そんななか小耳に挟んだ情報としては、この島の人々はブヨに噛まれてもさほど重症化しないんだとか。
「痒いけど、蚊に刺されたくらいかな。腫れたりはしないよ。」とのこと。
与助よ…せっかくブヨに生まれ変わったのに、肝心の村人たちには効いてないじゃないか…。
とまぁ、こんなブヨ伝説が残されているブヨの聖地で、僕はしこたま噛まれたのです。
治らないブヨ刺咬症
その後は、まさに地獄のような日々が待っていました。
もう、か〜〜〜〜〜〜〜〜ゆい!!!!!
蚊やダニとは比較にならない痒さです。
この時のブヨは特に強烈だったらしく、しかも大量に噛まれたため症状がひどかったです。
噛まれて四日後の噛み跡がこちら。
下半身を中心に噛まれましたが、画的にグロすぎるので。
足はこんな噛み跡が密集して巨大な一塊りになってました。
ブヨは低空飛行なので、足を噛まれることが多いです。
僕は運よく腫れ上がるようなことはなかったのですが、こういう痒疹が50箇所ほどできて世界地図のような模様になっています。
掻いてはいけないと思いながらも、噛み跡が多過ぎて我慢できないんです…
血が出るほど掻きむしってしまいます。
かさぶたができても、睡眠中など無意識のうちに掻きこわしてしまうんですね。
それがず〜〜〜っと何ヶ月も続きます。
噛み跡が空気に触れるだけで痒みがぶり返します。
まさに”痛風“ならぬ”痒風“。
数カ所の虫刺されであれば耐えられても、ブヨに数十カ所も噛まれたらたまりません。
耐えきれず掻きむしってしまうんです。
ここまでなっても皮膚科でステロイド系の軟膏を処方してもらい、それを塗ってひたすら我慢するしかないです。
そして数ヶ月後。
ステロイド系の軟膏は強力です。
確かに痒みは抑えられますが感染症を起こしやすくなります。
これがさらに数時間後の写真。
これ、噛まれて3か月後ですよ?
あまりに痒く治りも遅いので、お医者さんに「手術で腫れを切除するのはどうか?」と提案したぐらいです。
それに対する答えは、「取っても意味がない」とのことでした。
アレルギー反応を起こしているので部分切除しても効果は限定的らしいです。
この写真は腕ですが、足はもっとはるかにひどい状態です。
ステロイドで抵抗力が落ちているので、リンパ管炎を引き起こしてます。
赤い線は掻いた跡ではありません。
リンパ管が炎症して赤い線が浮かびあがっているんです。
リンパ管の炎症のために、この時は体温が40度以上まで上がりました。
冗談抜きで死にかけてます(汗)
結局このブヨ刺症が落ち着くのに半年ほどかかりました。
最後に、3年程経った頃の様子です。
一時は治らないかとも思いましたが、結節性痒疹もなくなり、ブヨの噛み跡もかなり薄くなりました。
普段は痒みも感じることはないので、一応完治したと言えるでしょう。
ですが今でもアレルギー反応が残っているようで、虫に刺された時や体調が悪い時などにブヨの噛み跡が少し膨れて痒みが出てきます。
それは2021年(5年経過)の今でも変わらないので、おそらく一生続くのでしょう。
最後に
以上、ブヨの被害が重症化すると、こんなに大変なんだよというお話でした。
痒みが酷い時期はそれこそ外科手術で結節性痒疹(シコリ)を取ってしまいたいと思っていましたが、アレルギー症状みたいなものなので結節を取っても多分痒みは治りません。
虫から大量に刺されてしまうと、アレルギーによるアナフィラキシーショックを起こしたりもするので、決して自然の生き物を侮ってはいけませんね。
ブヨがいるとわかったら長袖長ズボンに着替えるなどして、少しでも噛まれない努力をすることが一番重要です。
それでもブヨに噛まれてしまった場合は下の記事を参考にしてください。
これからの季節、皆さんも注意しましょう!